木のQA

地球環境保全と木材

Q1木材は環境に優しいの?

A
はい、優しいです。木材は「持続可能で循環的利用」ができる材料だからです。

樹木を伐り出して再造林し、きちんと森林を育てて再び木材に加工する一連の過程で CO2 を「固定」し、建物が寿命を終えるまで炭素を外気に放出せず「貯蔵」し続けます。このような材料だからこそ、地球温暖化の防止に大きく貢献しています。

Q2炭素の「固定」と「貯蔵」、何が違うのでしょうか?

A
「固定」とは生きてる樹木が生命活動のプロセスで体内に炭素を吸収することをいいます。「貯蔵」とは伐採した後に加工された木材の中に炭素が残された状態をいい、両者を区別しています。

「固定」は樹木が成長し続ける限りCO2を吸収していますから、炭素固定量は〈森林を育てていくことの大切さ〉を数値的に明らかにできます。
いっぽう、炭素貯蔵量の表示は、使用木材に「貯蔵」されたCO2を明確化することで〈木材利用が地球温暖化防止に寄与している証〉として利用されています。

Q3樹木を伐ると、すごく環境破壊してるのではないですか!?

A
いいえ!、そんなことはありません。人工林に古い樹木が伐採されずに残り続けると、CO2 をだんだん吸収しなくなり、地球温暖化防止に役立たなくなります。

若い20年生のスギの方が老いた80年生のスギよりCO2の吸収量が多いため、老木を伐採して、若木をたくさん植林する方が環境に優しいです。

Q4合法木材がなぜ地球温暖化の防止につながるのですか?

A
合法木材とは「それぞれの国の森林関係の法令において、合法的に伐採されたこと等を証明された木材・木材製品」を指します。この制度の取組みで、伐採適齢期を迎えた樹木を伐ってCO2を多く吸収する新しい樹木を育てること(Q3参照)により「持続可能で循環的利用な森林経営」が実現し、地球温暖化の防止に結び付けることができます。

ちなみに「森林認証」というラベリング制度もあります。これは、適正に管理された森林から産出された木材やそれを用いた製品に認証マークをつけることによって、持続可能な森林の利用と保護を図ろうとするもので、第三者機関(FSC・PEFC)により認証されています。

Q5「天然林」と「人工林」には、どうような違いがあるのでしょうか?

A
「天然林」と「人工林」との違いは、木の成長に人の手が加えられているかどうかによって決まります。

「天然林」とは自然のあるがまま、鳥や風によって運ばれた種が芽を出し、植生に合った多様な樹種と樹齢の異なる樹木が集まった複層林が形成されていきます。いっぽう「人工林」では薪・炭や建築用材、パルプ等を生産する目的で、人為的に種を蒔いたり植林することで、その後も定期的に管理をしていき健全な森林へと成長していきます。

Q6「杣(そま)」は古くから続く人工林だそうですが、本当ですか?

A
はい、本当です。古代中世から朝廷や貴族等が寺社仏閣・宮殿等を建立する為、建築用材を代々育成・伐採した山林を「杣」と呼んでいました。

ちなみにその地で伐採・造材に従事した人達のことを杣人(そまびと)と呼び、寺杣という苗字はこれが由来となっているそうです。

Q7「きこり」や「いかだし」「こびき」も、林業や木材にまつわる職人なんですよね?

A
はい、その通りです。近世になると特に市街地の木材需要が増加して様々な職能に細分化しました。その時代に活躍した職人達です。

「きこり(樵)」は斧を使用し伐採する職人でした。→「そまく(杣工)」は倒した樹木を丸太に造材して川筋まで搬出を担いました。→「いかだし(筏師)」は丸太を筏に組んで市中へ流送しました。→「こびき(木挽)」が大鋸(おおが)を使った手作業で製材する職人でした。

Q8針葉樹の方が建築向きだそうですが、その理由とは?

A
針葉樹は成長が早く真っ直ぐ伸びる傾向があるため「加工しやすく育てやすい」からです。

さらに詳しく解説すると、針葉樹は広葉樹に比べて建築向けな大きく二つのメリットがあり、一つは、細胞組織も単純であり木目も真っ直ぐで軽くて柔らかいため、柱や梁など建築物の大型部材へ加工がしやすいことです。もう一つは成長が早くて人工的に育てやすいので木材調達の年月が短くて済むことです。針葉樹の伐採適齢が50~60年と考えると、人の寿命を尺度に考えれば合点がいきませんが…(汗)。

Q9どうしたら針葉樹、広葉樹を見分けられるのでしょうか?

A
葉を見ることで簡単に判別することが出来ます。
針葉樹は細長く、堅い葉です。対して、広葉樹は広く平たい葉です。

針葉樹の葉は常緑のものが多く、マツ・スギ・ヒノキ等があります。
広葉樹は温帯から熱帯を中心に多く分布し、シイ・カシ・クスノキ・ケヤキ・クヌギ・キリ・センダン等があります。

Q10建築用の樹木はどのように育てているのですか ?

A
植樹してから建築用木材として伐採するまで50〜60年程度の年月が必要です。その間、下刈り、除伐、間伐等、正しく森林を手入れすることで、伐採した樹木から高品質な木材に加工できるようになります。

まず植林して5〜10年の間は、苗木よりも高く伸びた草木を刈ります(下刈り)。次に雑草よりも高くなると巻き付いたツルを切ったり(つる刈り)、成長を阻害する灌木を伐ります(除伐)。10〜15年くらいには枝打ちを行い、20〜30年になると林の中が混み合うので間引いて(間伐)、50年を過ぎて収穫(主伐)の時を迎えます。

Q11丸太を「A材」「B材」「C材」と、伐採現場の方が区別して呼んでいましたが、どんな意味があるのでしょうか?

A
丸太の状態を良い順にA・B・Cで区分しています。

「A材」は通直材とも呼ばれ、真っ直ぐで材径も大きくて建築用木材に加工しやすい為、製材用に利用されます。「B材」は小曲り材や小径材で主に合板向けです。「C材」は大曲りや大きな節がある丸太で主にチップやパルプに利用されます。ちなみに「D材」は丸太ではなく、枝条や伐り株等の林地残材で、主にバイオマス燃料に使われます。

Q12同じスギにもいろんな品種があるのですか ?

A
各地の地名にあやかった「〇〇杉」の呼称は、あくまで産地を表すものであり、生物学的には同一品種だと言われています。

スギの品種は親株の特徴を挿し木で伝えています。いわばクローンです。米やイチゴ等の農産物は同一品種なら種から育てても同じ特徴が現れます。つまり親から子へ受け継がれる訳です。ですが、挿し木品種を種から育てたとしても、親株と同じ特徴が現れるとは限りません。スギの個体差は、遺伝的要因より生育する環境の違いによって変化します。
なお、花粉症対策品種は後の設問にて紹介します(Q101参照)。

Q13尾根(おね)と谷(たに)で育つ樹種は違うのでしょうか?

A
育てるなら環境に適した樹種が効果的だと考えられ、古くから「尾根マツ、谷スギ、中ヒノキ」と伝えられてきました。

アカマツは乾燥にとても強く、斜面の最上部である尾根筋などの乾いた痩せ地で生育します。ヒノキも乾燥を好みますが、急傾斜地は比較的苦手なので山地の中腹に植林するのが良いとされています。スギは逆に湿気を好み、肥沃な土壌を好む為、中腹〜谷筋が適しています。

Q14「山の神様の日」があるそうですが、本当でしょうか?

A
はい、あります。山の神が誕生した祭日で、一般に12月12日、1月12日などとされています。山の民にとって、狩猟、伐採、炭焼き等、自分たちの職場である山を守護する神です。

この神様は禁忌に厳しく、例えば、祭日は山に入るのを禁んじでいます。その日は山の神が育った樹木の本数を数える為、邪魔されないよう人が入山したら、倒木の下敷きで落命したり、神隠しで行方不明になったという伝承が残されています。
現代風にいえば、きっと「山の恵みに敬意を払い、職場を末永く大切にしましょう」ということなのでしょう。

Q15「あの樹はまだ成長してるよ」って言われましたが、成長途中をどのように見分けているのでしょうか ?

A
山の木を見たときに、上の先の方が尖ったシルエットはまだ伸びていき、逆に丸く見えるのはもう伸びない木と言われています。

これは木が成長する段階で、上に伸びるスピードの方が早いため、樹冠の先が尖って見えるからです。しかしもう伸びない木は、枝葉が横に広がって、こんもり丸い形状になっていきます。

Q16チェーンソーの手入れで良し悪しは生じるのでしょうか ?

A
はい。普段の手入れの具合で切れ味は格段に変わります。

チェーンソーの刃は使い続けると、刃先がすり減って切れにくくなります。そのため、こまめに刃先を研がないといけません。また切断の途中でチェーンソーが大きな事故につながる恐れもあります。林業に従事されている方達は、怪我と事故を防止する為、普段から頻繁に研ぎ直しています。

Q17木を伐採する際、どのような方法で切り倒しているのでしょうか ?

A
現在は、チェーンソーを使用します。もうオノやノコギリは使っていません。なお、業務として伐採するには、労働安全衛生規則に基づいて「チェーンソーによる伐木等特別教育」の修了が必要です。

伐倒(ばっとう)の技術は、まず伐り倒す方向の根元に受け口(うけぐち)を切り込み、その反対側に追い口 (おいくち)を設けます。木を狙った方向に制御しながら伐り倒すためには、追い口を受け口まで全部伐らず一定の幅を残します。これをツルと言います。周囲の安全を確認し、追い口に楔(くさび)を打ち込みながら倒します。
1本当りの長さ20m以上、重さ1トン近くの樹木を伐り倒す為、かなりの危険を伴います。使う道具は斧からチェーンソーへ変わりましたが、安全に作業する為の伐倒技術は脈々と受け継がれています。他に、ヘルメットやイヤーマフ、保護ゴーグル、チャップスなど身を守る道具も欠かせません。

建物と木材について

Q18日本の木造住宅ではどんな樹種が使われているのでしょうか ?

A
日本の木造住宅では、主にスギ・ヒノキ・マツといった針葉樹を用います。

床や屋根など重い荷重を支える「梁 ( はり )」や「桁 ( けた )」は建物の中でもっとも木材を使用する部位で、国産のヒノキやマツ、 外国産の針葉樹 (オウシュウアカマツ、ベイマツ等 ) といった高強度の樹種が使われています。
「柱 ( はしら )」には、スギがよく使用されています。国内で多く育成されている樹種で、比較的リーズナブルに入手できるからです。
「土台 ( どだい )」は、基礎の上で階上からの荷重を受ける部位で、地表面に近いことから、防腐防蟻に強いヒノキやJAS保存処理構造用製材が用いられています。

Q19木造住宅を建てるのに、木材はどれくらいの量が使われているのでしょうか ?

A
平均的な住宅(延床面積:約120平方メートル)だと、1戸当りの木材使用量は約18立法メートルです。

『木造住宅の木材使用量調査事業報告書』(一般財団法人日本木材総合情報センター、平成26年1月)から、日本の軸組工法で建てられた木造住宅1平方メートル当りの木材使用量はおよそ0.153立法メートルという調査結果をもとに算出した数字となります。

Q20木造住宅を建てるのに、伐り倒した樹木は、ずばり何本?

A
たとえば、伐採適齢の50年育ったスギの立ち木(胸高直径28cm、樹高22m、1本当りの立木材積0.64立方メートル)だと、およそ最低80本〜最大118本くらいを伐り出すだろうと推測できます。

この数字は、平均的な住宅1戸当りの木材使用量が約18立法メートルであること(Q19参照)をもとに、各工程での原材料の利用割合(歩留率)を立木から丸太へ(60〜70%)、丸太から木材へ(40〜50%)、順に逆算して割り出しました。
実際は伐採する森林の状況や製材工場等の生産体制などによって異なってきますから、あくまで目安としてご理解ください。

Q21樹木を伐採した時点から木造住宅が完成するまで、どのくらいの時間がかかりますか?

A
あくまで目安ですが、少なくともおよそ半年(6ヶ月)以上かかるであろうと考えられます。

短辺105mmの住宅用流通製材を用いて平均的な住宅(Q19参照)を建設する前提だと、各工程の最短時間は、伐採された丸太はまず原木市場へ搬入、選木・競売ののち製材工場に買い取られるまで「約1ヶ月半」、製材工場での木材生産に「約2ヶ月」、軸組プレカットから現場搬入まで「約1ヶ月」、それらを組み立てる建方(たてかた)以降の工事に最低「約1ヶ月半〜2ヶ月」。これらを合計すると『最低6ヶ月以上』の時間が必要となります。

Q22木造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べると、地震や台風に弱いですよね?

A
いいえ、そんなことないですよ。
そもそも法律の定めで、耐震性のない建物は、どんな構造であっても建設できません。

建築基準法 20 条で定められた構造耐力基準に適合しなければ、いかなる構造も建築確認は受理されません。
木造についても、固定荷重(自重)、積載荷重や地震・台風等の力に対して安全な構造とする基準が定められてます。

Q23住宅の「耐震等級」とは何ですか ?

A
耐震等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で定められた等級の一つです。

阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震をはじめとする被害の惨状を目の当たりにするようになって、今日ではより耐震性の高い性能を求める社会的ニーズが高まっています。
倒壊等のしにくさや大規模な修繕する著しい損傷の生じにくさを、建築基準法の定めた耐震性能を「耐震等級 1」 として、1.25 倍の性能を有すると「耐震等級 2」、1.5 倍の性能だと「 耐震等級 3」として評価します。
なお、建築基準法が求めている耐震性 ( 品確法の耐震等級 1) は、極めて稀に ( 数百年に一度程度 ) 発生する地震による力で倒壊せず、稀に ( 数十年に一度程度 ) 発生する地震による力で大規模修繕が必要な著しい損傷を生じないものです。

Q24「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」とはどのような法律ですか?

A
耐震等級(Q23参照)のほか、省エネ性、 劣化対策などの等級とともに評価することで、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護等を目的としています。

劣化対策等級3では、土台や地面からの高さが 1m 以内の外壁の軸組に関する適合基準の一つに、K3以上のJAS保存処理木材の使用が数えられています(Q93参照)。

Q25木造建築物は何階まで建てられるのでしょうか?

A
じつは、日本の法律では、階数制限で木造建築物を禁止する制限はありません。

ただし、階数が高くなるにつれて防・耐火規定が厳しくなる為、階数ごとに規定で要求された性能を適合させないと、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造他のどのような構造でも建設できません。

Q26木造でも鉄筋コンクリート造や鉄筋造に匹敵する防・耐火構造はあるのでしょうか?

A
はい、ちゃんとあります。木材を使った防耐火構造はすでに実用されています。

同構造にはいくつかの型に分類されています。
最もポピュラーなのは「防火被覆型」。木材を使った支持部材を規定に応じたせっこうボードで覆うものです。「燃え止まり型」は、支持部材の上にモルタル等で燃え止まり層を施し、さらに燃えしろと仕上げを兼ねた木材で覆います。この他、通常は内蔵した鉄骨と外皮の木材で共に荷重外力を支え、火災時は高温に弱い鉄骨の代わりに木材がゆっくり燃えて所定時間の火災に耐える「鉄骨内蔵型」などがあります。

Q27木造に関する防・耐火規定の概要を教えてもらえませんか?

A
防・耐火規定は〈市街地火災の延焼防止〉〈避難途中の安全確保〉〈隣棟への倒壊等防止〉の3つが目的です。以前は「不燃材料」で一律に制限していましたが、平成30年の建築基準法改正で各々に「性能基準」を規定し、これを満たせば木材も自由に使えるようになりました。

たとえば、鋼材は不燃材料ですが、火災時の高温に熱せられると人が近づけず避難できなくなります。逆に可燃材料である木材はゆっくり燃える為、十分な厚さがあれば燃焼側の裏面に熱が伝わりにくく(Q28参照)、安全に避難できるよう設計できます。
このようなことから従前規定の改正により、木材が有している防火性能を活かせるようになりました。

Q28えっ、木材はゆっくり燃えるって本当!?。そのメカニズムを教えてもらえませんか?。

A
一見乾いた木材も15%程度の水分が含まれています(Q52参照)。この水分が蒸発しないと燃え進めない為、表面が黒く炭化してもゆっくり燃えるというメカニズムとなります。

低密度なスギでも炭化速度は1分間当り0.6mm。木材が分厚くなるほど、深部は100℃に達しづらく蒸発も遅くなり、炭化速度もさらに遅くなります。くわえて表面の炭化層は遮熱性がある為、燃焼が深部へ急速に波及しません。
ちなみに、せっこうボードの防火性能もこのメカニズムに類似しています。石膏成分にも約20%の結晶水が含まれている為、熱分解で外部に水分が放出される間、温度上昇を遅らせることになります。

Q29木材の燃えしろとは何ですか ?。メリットはあるのですか?。

A
木材がゆっくり燃えるメカニズム(Q28参照)を利用して、消防活動が始まるまで燃える余分な厚みを「燃えしろ」といいます。
防火被覆で覆わないので、木をそのまま見せることができるメリットがあります。

実際の設計では、火災時の建築物に加わる荷重を支える支持部分の部材寸法に、45分・1時間・75分・90分に規定された準耐火構造でJAS製材、JAS集成材、LVL、CLTの材料ごとの厚さ、もしくは計算式による厚さを加えて、使用する木材の部材寸法とします。

Q30木造住宅の工法には、どんな種類があるのでしょうか?

A
「軸組工法」と「枠組壁工法」の二つがポピュラーな工法です。

「軸組工法」は、鉄筋コンクリート造の布基礎・ベタ基礎の上に縦方向の柱と横方向の梁(はり)・桁(けた)で自重・積載荷重を支え、筋交や構造用パネルで地震や台風の力に耐える工法です。
「枠組壁工法」は、前者と同じ基礎の上に2×4材(ツーバイフォーざい)と合板で組んだ壁を組合わせて、自重・積載荷重・地震力・台風力を支える工法です。
他にも、伝統的構法、木質ラーメン構法、丸太組構法、CLTパネル工法等があります。

Q31木造で防音する方法はありませんか?

A
1)高密度な防音材を張り合わせたり敷き詰める、2)床組みをガッチリと固める、3)振動を多くの部材へ分散する、この3つを組み合わせて対策すると防音効果が向上します。

防音対策の3つのポイントは「1)材料密度の高さ・2)高い剛性・3)部材数の多さ」です。
1)同じ体積で重たい方が密度が高い材料になり、高密度ほど音を遮ります。2)剛性は物体の変形しにくさを指し、高剛性ほど振動しにくくなります。3)部材の数が多ければ、それだけ振動は分散し音は伝わりにくくなります。
木材は軽量な割に高強度が利点ですが、低密度な材料なので木材単体では防音には不向きです。そこで、3つの対策を施すことが木造の防音対策の秘訣になる訳です。

Q32木材はどうして冷たくないのでしょうか?

A
木材は鉄やコンクリートに比べて熱が伝わりにくく(熱伝導率が低い)、熱を遅く伝えます(熱拡散率が低い)。つまり、熱しにくく冷めにくい。だから冷やっとしません。

断熱材は熱伝導率(λ)が 0.06(m² /W・K)以下の材料を指します。スギの熱伝導率は 0.12(m² /W・K)なので断熱材には当てはまりませんが、コンクリート(1.6(m² /W・K))や鉄(55.0(m² /W・K)に比べたら断熱材に迫る性能を有しています。
ちなみに、木材同士で比べると広葉樹のオーク(ナラ)の熱伝導率は 0.19(m² /W・K)でスギより高い為、少し冷んやりします(Q45参照)。

Q33古民家で見られる「継手」「仕口」とは何?

A
継手(つぎて)とは、材を長さ方向に接合した箇所を指し、蟻継ぎ(ありつぎ)・鎌継ぎ(かまつぎ)や追掛大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)・金輪継ぎ(かなわつぎ)などがあります。
仕口(しくち)は、二つの木材を直角あるいは斜めに接合した箇所で、大入れ(おおいれ)・渡り腮(わたりあご)・蟻掛(ありかけ)等があります。

継手仕口は日本の伝統的木造で用いられた技術で、鋸(のこぎり)や鑿(のみ)を用いて、手刻みします。匠の技を要求されるので、大工職は長い研鑽と経験が必要でした。
しかしながら今日では、機械化によるプレカットで接合部を加工するようになっています。

Q34木造住宅の断熱工法にどんな違いがありますか?

A
基本は「充填工法」と「外張り工法」の2種類。どちらか一方に性能上の優劣があるものではなく、施工条件に応じて、いずれか選択するか、もしくは併用します。

「充填工法」は、壁内の柱・間柱、梁など軸組の隙間に断熱材をはめ込んだり、敷き込んだり、吹き付けたりする工法です。主に繊維系断熱材が用いられています。
「外張り工法」は、柱・間柱、梁など軸組の外側に断熱材を貼り付けたり、敷き込んだりする工法で、主にボード状のプラスチック系断熱材が用いられます。

Q35木材を原料に利用した断熱材があると聞きました。木材由来の断熱材はどんな材料ですか?

A
それは「インシュレーションファイバー」のことです。木材の端材や廃材、間伐材、林地残材を繊維化しマット状または板状に整形した断熱材です。

また、古紙を綿状に細かく裁断した断熱材「セルローズファイバー」も元を辿れば原材料は木です。どちらも木質繊維なので、素材そのものが空気中の余分な湿気を吸収したり、空気が乾燥した時は放出して湿度を調整する性能があります。

Q36木材由来の断熱材を使用するメリットとは?

A
木材由来の断熱材(Q35参照)を使うことで壁内の調湿性能を上げることができ、木造建築にとって大敵な腐敗やシロアリ被害となる湿気の原因を解決することができます。

断熱工事を施すと、冬は室内の、夏は屋外の、暖かい空気に含まれた水分が壁内に留まって、壁内の柱・間柱、梁など軸組は、最悪の場合、常時湿潤な状態に晒されてしまいます。木材由来の断熱材はこの余分な湿気を吸放湿してくれます。
(なお一般的な断熱工法では、室内側に気密シートを張って湿気侵入を防ぎ、外壁面には通気層を設けて水分を排出できる機構を施す為、同材が未使用でも大きな支障は生じません。)

Q37コンパネとは、どんな合板ですか?

A
コンクリートパネルの略ですが、転じて12mm厚の合板全般を示す俗称になっています。

本来は生コンクリートを流し込む時に用いる耐水性「1類」の12mm厚の合板です。「コンクリート型枠用合板」としてJAS/日本農林規格に規定されています。粗い木目がそのままな無塗装のものと、繰り返し使えるように片面に剥離しやすい樹脂が塗装されたものがあります。

Q38コンパネと構造用合板は同じものですか?

A
必ずしも同一とは限りません。コンパネは12mm厚合板全般を示す俗称ですが、構造用合板はJAS/日本農林規格により規定された合板のみを指すからです。

さらに構造用合板のうち面材耐力壁に使用できるものは、建築基準法により「7.5mm厚以上」かつ耐水性が「特類」でなければなりません。

Q39合板を「ベニヤ板」や「ベニヤ」と別称しますが、英語では通じないそうです。本当ですか?

A
はい、本当です。英語では合板を「plywood(プライウッド)」と呼んでいます。

ちなみに、ベニヤ(Veneer)の英語本来の意味は「突板」を指します。JAS規格では単板と表して1.0~5.5mm 厚に薄くスライスした板です(Q60参照)。

Q40合板の耐水性を示す「特類」「1類」の意味を教えてもらえませんか?

A
合板の耐水性は厳密には「合板が晒される湿潤状態の度合いに応じた接着の程度」を示し、JAS/日本農林規格では「特類」「1類」「2類」で表しています。

「特類」は屋外又は常時湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした所定の接着の程度、「1類」はコンクリート型枠用合板及び断続的に湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした所定の接着の程度、「2類」は時々湿潤状態となる場所(環境)において使用することを目的とした所定の接着の程度となります。

Q41合板の表示には。「1類」とは別に「1級」もあります。どんな違いがあるのでしょうか?

A
強度を示すものとして、JAS/日本農林規格では、構造用合板に「1級」「2級」を表示しています。

構造用合板は建築物の構造耐力上主要な部分に使用する合板です。使用部位で使い分けされます。「2級」は壁・床・屋根の下地に使用するのに対して、「1級」は構造部材の部品として応力が集中する箇所に使用し、曲げ強度などの基準を適合したものになります。

Q42柱の太さに規定はありますか?

A
建築基準法の構造規定により柱の小径を建物重量や梁桁・土台相互間の垂直距離に応じた基準に適合させれば、どのような太さの柱を使っても構いません。
令和3年現在の2階建て木造住宅には「105mm×105mm(105角)」の柱が最も多く使用されます。105mmは尺貫法では3寸5分の長さなので「3.5角(さんごう・かく)」とも呼ばれています。

ただし太い柱を使用する方がより安全です。構造上、固定荷重や積載荷重、台風や地震の外力へしっかり抵抗するには、柱や梁等、構造耐力上主要な部分の木材は「大断面」「高強度」「寸法安定」が必要です。JAS/日本農林規格では、これらの条件に対して明確な基準を定め、木材の品質が保証されています。
コストを下げる目的で105角が多く使用されていますが、耐震等級3といった耐震性の高い建物を建てるなら、少なくとも120mm以上(3階建ての1階柱は135mm以上)の太い柱をお薦めします。併せてJAS規格の構造用製材や集成材等を使用するのが理想です。

Q43材木店の方が、柱のことを「しょうかく」、梁のことを「ひらかく」と呼んでましたが、どのような意味でしょうか?

A
木口の形状が正方形だと「正角(しょうかく)」、長方形だと「平角(ひらかく)」と書き表し、どちらも木材の形状を表しています。

古くから使われている呼称で、JAS/日本農林規格では、平成8年に廃止されるまで、「正角」は木口の短辺が7.5cm以上の正方形の角材、「平角」は木口の短辺・長辺いずれも7.5cm以上の長方形の角材と分類していましたが、現在は二つを一括りに〈角類〉としています。
ちなみに、これと対を成す〈板類〉は、木口の短辺が 75 mm 未満で、かつ、木口の長辺が木口の短辺の 4 倍以上のものとなります。

Q44「スギやヒノキのフローリング」を最近多く見かけるようになりましたが、どんな特徴か教えてもらえませんか?

A
裸足で歩いても「柔らかく、冬でも冷たくない」のが利点です。フローリングの厚さが増すなるほど効果も高くなります。また他の樹種に比べてリーズナブルに入手できて財布にもやさしいです。

反面、木繊維の密度が低い為、傷がつきやすいのが欠点です。この理由で、以前は合板や広葉樹のフローリングに人気を奪われていましたが、先の利点を見直してもらえるようになり、ニーズが高まっています。

Q45「オーク材」のフローリングにも興味を引かれましたが、特徴を教えてもらえませんか?

A
オークはブナ科コナラ属の広葉樹の仲間です。広葉樹は木繊維の密度が高く硬い特徴があり、「傷が付きにくい」のが大きな利点です。

逆に短所は、冬はスギに比べると冷んやりとします(Q32参照)。また硬さのせいで足腰に負担を及ぼす方もおられます。その為、自然とスリッパを履いて対処されています。また広葉樹の価格は針葉樹に比べて高価なので、それなりの予算を確保しておくことも必要です。
他に広葉樹種を用いたフローリングには、国産材はナラ、クリ、カバ、サクラ等が、輸入材はオーク、チェストナット、バーチ、ウォールナット、チーク、アカシア等があります。

Q46スギのフローリングを使いたいのでしょうが、傷つきにくい加工はできないのですか?

A
できます。最近では、木繊維を圧縮したり、木繊維内に樹脂を注入して、傷つきにくくする加工方法が登場しています。そのお陰で学校や公共施設、商業建築等でも多く使われるようになりました。

ただ、広葉樹のフローリングと同じ短所も現れる(Q45参照)ので、スギのフローリングの良さも下がりますし、加工コストで割高になります為、用途を見極めて使用を検討するのが良いでしょう。

Q47フローリング製品に規定はあるのですか?

A
もちろん、あります。JAS/日本農林規格では「フローリング(JAS 1073) 」として規定されています。

材面の品質、側面加工、実(さね)の欠け、曲がり、反り、ねじれ、含水率、接着の程度、防虫、ホルムアルデヒド放散量等の品質について、技術的基準、検査方法、格付けの表示・様式方法を定めています。

Q48インテリアや家具に使われる木材はどんな樹種があるのでしょうか?

A
一般的には広葉樹が向いていると言われています。理由は家具やインテリアは可動部分が多く、人が頻繁に触れて摩耗しやすいため、広葉樹の木繊維の密度が高くて硬い利点(Q45参照)を活かして耐久性を上げるからです。

ただ、すべてを広葉樹材で製作すると木材費が高くなり、売値も高額になる為、高級家具・建具等にしか見られなくなりました。戦後は、化粧突板もしくはプリント板を貼った合板で中空の板状に加工したフラッシュ構造・ハニカム構造の板を組み立てて、製造コストを抑えた家具・建具がポピュラーとなりました。

Q49インテリアや家具に使われる木材にも規定があるのでしょうか?

A
もちろん、あります。JAS/日本農林規格では「製材(JAS 1083) 」の中で規定されています。

針葉樹を材料とするものであって、敷居、鴨居、壁その他の建築物の造作に使用するものは「造作用製材(JAS 1083-2)」、広葉樹を材料とするものは「広葉樹製材(JAS 1083-6)」として、材面の品質等の基準、検査方法、格付けの表示・様式方法を定めています。

Q50木材を水回りに使用して良いのでしょうか?

A
使用後は水滴を拭き取り、汚れが染み込まないように塗装を施したりと濡れた状態を放置しなければ、水回りに木材を使用しても大丈夫です。

無垢材の上で水滴を長い時間そのままにすると、水滴に含まれた汚れが木繊維に染み込んで、乾燥した後はシミになって残ります。その為、キッチンの天板で使う木材は繊維が高密度な広葉樹で適切な塗装を施します。
ヒノキ風呂など浴室で用いる場合は、使用終了後は乾燥させて、水滴や湿気が残らないようすることが望ましいです。木繊維の中にカビや腐朽菌が繁殖する為です。

乾燥木材と含水率が及ぼす関係

Q51どうして建築物に使用する木材は、わざわざ人工的に乾燥させるのですか?

A
乾燥が不十分な木材は時間が経つと当初の形状より縮んでしまいます。そうなると接合部に隙間が生じてガタつくようになり、地震に耐えられなくなります。

木材の寸法が安定するのは日本では含水率15%の時とされています(平衡含水率、Q52参照)。したがって含水率15%の木材で建てるのが理想となります。
なお、JAS/日本農林規格では、乾燥処理を施した旨の表示するものの含水率の基準が規定されています(Q55参照)。

Q52平衡含水率とは何ですか?

A
木材の収縮が止まって寸法が安定した状態の含水率を「平衡含水率」と言います。日本では15%の状態を平衡含水率とされています。

この数値は、建築関連法令の改正におけるパブリックコメント「製材に関する燃えしろ設計等に係る告示案に関する意見の募集結果について(2004年(平成16年)9月)」にて国土交通省が示した考え方によります。
含水率15%という数値規定への意見に対し、平衡含水率に言及した内容を同文から引用すると『(前略)我が国における標準的な温室度環境20℃、65%RHにおける平衡含水率である15%を基準としました。(中略)基準は明確にするべきという国民の要求に対応して明確な数値基準としました。ただし、 乾燥割れが生じても著しく接合耐力が低下するおそれの無い接合方法を用いる建築物については、多少規制を緩和し、20%以下を基準としました。』と回答されています。
これに基づいて「昭和62年建設省告示第1898号 構造耐力上主要な部分である柱及び横架材に使用する集成材その他の木材の品質の強度及び耐久性に関する基準を定める件(材料品質基準)」が改定されれました。製材では「JAS目視等級区分構造用製材」または「JAS機械等級区分構造用製材」のうち、含水率15%以下(乾燥割れが生じても著しく接合耐力が低下するおそれの無い接合した場合にあっては20%以下)のものとされています(Q55参照)。

Q53すでに乾燥した木材を濡らしてしまったら、サイズも変わるのでしょうか?

A
いいえ、少し濡れた程度で大きな寸法変化は生じません。

ふつうの雨水や湿気などで濡れる程度は、問題ありません。ただし常に濡れている状態が続けば寸法変化が起こる可能性があります。

Q54木材は時間が経過すると、どのような割れ方をするのでしょうか?

A
木材を天然で乾燥すると、芯を持った材の長手側、つまり仕上面に割れが生じやすくなります。太い柱や梁には現れやすいですね。

丸太の断面から見ると木繊維の収縮は「接線方向」が大きいため、製材された後の姿では、材長方向の面がこの接線方向にあたります。丸太のどの部分から挽くかで変形や割れの形状も異なります。これらの性質を考慮して、一本の丸太から、構造材、下地材、仕上材を用途に合わせて切り出すことで、割れや反りの影響を少なくする工夫が現在まで継承されています。

Q55木材の乾燥にはどんな基準があるのでしょうか?

A
JAS/日本農林規格では「乾燥処理を施した旨の表示するものの含水率」が規定で定められており、また人工乾燥によって生じる表示寸法の許容差も規定されています。

JAS「目視等級区分構造用製材」または「機械等級区分構造用製材」の人工乾燥処理を施した仕上材(SD)であれば、所定の含水率試験の平均値が、SD15は15%以下、SD20は20%以下の数値でなければなりません(Q52参照)。
また「目視等級区分構造用製材」の天然乾燥処理材は30%以下の数値でなければなりません。

Q56乾燥木材を表す記号で「KD」と表記されてる意味とは?

A
Kiln Dryの頭文字をとった記号です。直訳すると「窯で乾燥させる」となります。

ちなみに、JAS規格で表示される「SD」は、Surfaced Dryの頭文字で「表面仕上げを施した乾燥材」を意味しています。

Q57材の表面に割れが見えるのですが、そのまま使用しても大丈夫でしょうか?

A
製材品にJASの表記がある場合、検査によって等級区分ごとの品質基準に適合したものですから、問題ありません。

JAS/日本農林規格では、貫通割れ(表裏を貫く割れ)、材面の短小の割れ、木口割れ、目まわり(節目に沿った割れ)に対して、等級区分ごとに明確な基準を定めています。

Q58JAS規格の乾燥木材を使用するメリットは?

A
JAS/日本農林規格では、各等級区分ごとに乾燥処理における明確な基準が定められており、建築後の不具合を防ぐことができます。

もし未乾燥材を使用した場合は、建築後に収縮による寸法変化で接合部にガタツキが生じて耐震性を損なう恐れがあります。その為、我が国における平衡含水率15%に近い数値が保証されている木材を用いることが安心につながります(Q51参照)。

木材・木質材料の種類・規格

Q59木材の規格は「ジャスだ!!」って聞きましたが、それは一体何ですか?

A
JAS(ジャス)とは「日本農林規格」のことです。「日本農林規格等に関する法律(JAS 法)」により、適正な認証の技術的基準、検査方法、格付けの表示・様式方法を定めています。

JAS/ 日本農林規格で定められている林産物は、2022 年(令和 4 年)3 月現在、以下 の12 項目です。
・製材(JAS 1083) ・枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材(JAS 0600)※ ・集成材 ・直交集成板(JAS 3079) ・単板積層材(JAS 0701) ・構造用パネル(JAS 0360) ・合板 ・フローリング(JAS 1073) ・素材 ・接着重ね材(JAS 0006) ・接着合せ材(JAS 0007) ・接着たて継ぎ材(JAS 0015)
※「枠組壁工法」はツーバイフォー工法のこと(Q30参照)。

Q60木質材料にはどんなものがありますか ?

A
「挽き板」と「突き板」の別で繊維の向きに分類すると、「1)集成材、2)直交集成板(CLT)、3)単板積層材(LVL)、4)合板」の4つに分けられ、これらの木質材料は JAS/ 日本農林規格に規定が定められています。

挽き板(ラミナ、Laminar)とは、ノコギリで挽いた木の板のことで、JAS規格では50mm 厚以下とされ、通常は 30mm厚 程度を使用します。いっぽう、突き板(Veneer)は、薄くスライスした板のことで、JAS規格では単板と表し1.0~5.5mm 厚に定められています。
「1)集成材」は、挽き板を同じ方向に並べて接着したもので、「2)直交集成板(CLT、Cross Laminated Timber)」は、挽き板を直交方向に並べて接着して板状に成形したものです。 「3)単板積層材(LVL、Laminated Veneer Lumber)」は、突き板を繊維方向を揃えて積層したもので、「4)合板」は、突き板を直交させながら多層接着したものです。

Q61集成材とはどのような木質材料でしょうか ?

A
集成材とは、50mm厚以下(通常は 30mm厚 程度)のラミナ(挽き板)を接着剤で貼り合わせて一つの木材に変更テスト。

挽き板のような小さな木材でも、接着剤で貼り合わせて再構成するため、断面寸法を大きくすることができ、製材品では不可能な大断面を実現できます(Q79参照)。
JAS/日本農林規格では、強度や耐水性について厳格な規格、検査基準のもとで品質管理され、構造用と造作用に分類されます。なお、JAS規格でのラミナの厚さは5cm以下と規定されています。

Q62OSB、MDF とはどういった材でしょうか?

A
「OSB 」は、Oriented Strand Bordの頭文字をとった呼称で、短冊状の木片をプレスして接着剤で固めたものです。
「MDF」は、Medium Density Fiberboardの略 で、木材を繊維状にほぐしたものに合成樹脂を加えて成形した板です。

OSBやMDFのほか、パーティクルボード等は、JAS/日本農林規格では、「構造用パネル」 と規定され、地震や台風の力に耐えうる構造部材で、建築基準法では構造用合板と同じ く耐力壁に用いることができます。 構造用合板と同様に、建築基準法施行令46条及び昭和56年建設省告示第1100号で、面材 の厚さ・品質、釘の種類・間隔が定められています。

Q63シックハウス症候群とは何ですか ?

A
シックハウス症候群とは、室内の汚染された空気を吸うことで、様々な体調不良を引き起こすことを言います。

住宅や家具には、石油化学成分を使用した新建材、壁紙、接着剤や塗料が多く使用されています。そこから放散される揮発性の化 学物質が原因となり、頭痛や吐き気、目やのどの痛みが現われたり、アトピー 性皮膚炎や気管支喘息が悪化したりすることがあります。
ちなみに木質材料を室内に使用する場合は「F☆☆☆☆」のように星の数が多いものを選択することをお勧めします。「☆」の数が多いほどシックハウス症候群につながるホルムアルデヒド発散量は少なくなります。これはJAS/日本農林規格で定めた表示基準です(Q64参照)。

Q64合板に印字されている星「☆☆☆☆」の意味とは何ですか ?

A
シックハウス症候群(Q63参照)につながるホルムアルデヒドの発散量に応じて「☆」の数を表示しています。数が多いほど発散量は少なくなります。

JAS/ 日本農林規格では、合板について、ホルムアルデヒド放出量に関し次の 3 つの等級が定められています。「F☆☆」はホルム アルデヒドの発散量 20μg/m2h~120μg/m2h、「F☆☆☆」はホルムアルデヒドの発散量 5μg/m2h~20μg/m2h、「F☆☆☆☆」 はホルムアルデヒドの発散量 5μg/m2h 以下と最も少ないです。
建築基準法施工令 20 条の 7 のホルムアルデヒド発散建築材料の制限では、内装の仕上げにホルムアルデヒドの発散量 120μ g/m2h 超の材料の使用を禁じ、「F☆☆」「F☆☆☆」の使用では居室に所定の換気回数が制限されますが、「F☆☆☆☆」には制限 なく使用することができます。

Q65「基準強度」が定められている訳とは?

A
建築基準法によって材料ごとに基準強度を明確に定めてその値を構造計算で使用するように義務付けることで、日本で建設される建物に最低限の安全性を約束するためです。

木材・木質材料の基準強度は、 JAS/ 日本農林規格で規定した等級区分を用いています(Q72参照)。

Q66「無等級材」とは?

A
JAS/日本農林規格に定められていない木材は「無等級材」として、建築基準法では樹種ごとに基準強度が定められ、構造材に利用できる(構造計算が行える)ようになっています。

ただし、無等級材の取扱いは要注意です!。JAS規格のような品質管理の規定がありませんが、その基準強度は旧製材の日本農林規格の規定から準拠している為(Q67参照)、その格付け基準に適合しているか確認しないと強度を保証できないからです。
なお、JAS製材品に比べると、最低限の強度が設定されています。例えば、スギの機械等級区分製材E50の圧縮強度(Fc)は19.2N/mm2ですが、スギの無等級材は17.7N/mm2と低くなります。

Q67JAS 認定外の製材品は、全て無等級材になるのでしょうか?

A
いいえ、全ての製材品が該当するとは限りません。
たとえば、短辺105mmの材面で、一つの節が42mm以上(節径比40%以上)、15cm間隔内にある節の合計が63mm以上(集中節径比60以上)がある場合、その製材品は無等級材の強度を有していません。

無等級材も、目視により一定の品質を確かめた製材品とそれが示す値をもとに基準強度を設定されました。その数値は、旧製材の日本農林規格(昭和42年農林省告示第1842号)第10条のひき角類1等に格付けされた木材の強度です。今日のJAS規格では「目視等級区分構造用製材の甲種2級」の基準に相当します。
目視で基準通りか確かめなければ、無等級材の強度を有しているか、保証できません(Q69参照)。

Q68材木屋の方が呼んでいる「特 1 等」や「1等」はどのような規格でしょうか ?

A
古くから木材流通で慣習的に用いられている規格です。材長方向の角の丸身、大小の節の存在を示す程度のものであり明確な定めがありません。

とはいえ、木材流通の現場では現に用いられているため、JAS/ 日本農林規格で定められた明確な品質と誤解を生じないよう注意する必要があります(Q69参照)。

Q69「特 1 等」=「無等級材」ですか?

A
いいえ!、「特1等」≠「無等級材」です!。

特1等、1等などは、古くから木材流通の現場で、現在も習慣的に利用されている呼称です(Q68参照)。
特1等、1等と無等級材との間に、強度が一致する裏付けは一切ありません。特1等であってもJAS規格の「目視等級区分構造用製材の甲種2級」相当の目視基準(Q67参照)を満たさなければ、無等級材の基準強度を保証できません。

Q70木材・木質建材の基準強度は、どのように定められていますか?

A
基準強度は、建築基準法および建築関連法令で定められています(※)。その定めには、 JAS/日本農林規格で規定した等級区分が用いられています。

JAS/ 日本農林規格で、規定された木材・木質材料の等級区分ごとに構造計算で用いる Fc(圧縮)、Ft(引張)、Fb(曲げ)、Fs(せん断)の値が設定されています。
JAS 規定で格付けされた品質を表示することで、その材料が持っている強度の大小を明らかにしています。高い強度の等級区分を選ぶと、耐震性も優れた木造を建てることができます。
※平成 12 年建設省告示第 1452 号 木材の基準強度 Fc、Ft、Fb 及び Fs を定める件(目視等級構造用製材、機械等級区分構造用 製材、無等級材)
平成 13 年国土交通省告示第 1024 号 特殊な許容応力度及び特殊な材料強度を定める件(集成材、LVL(構造用単板積層材)、CLT(直交集成板)

Q71木材の強度は叩くと分かるそうですが、本当でしょうか?

A
はい、本当です。木材を叩くと、密度(硬さ)に応じて伝わる振動の周波数が異なります。これを利用してJAS規格の「機械等級区分構造用製材」の強度を調べることができます。

木材の非破壊測定法の一種で、ハンマーによって打撃して共振する音の周波数を解析器で計測する打撃音法 / タッピング法を用います。安定した計測が可能となり、様々な材にも応用できるため正確なデータ解析ができます。
これを利用して、JAS規格の「機械等級区分構造用製材」では、曲げ性能の大小を表す等級(Eを冠した数字)で表示します

Q72JAS規格の構造用製材にはどんな等級区分がありますか?

A
構造用製材の規格は、大きくは「目視等級区分構造用製材(Q73参照)」と「機械等級区分構造用製材(Q74参照)」の2つがあります。

前者は外観を目視で区分し、後者は文字通り機械で測定して区分するものです。

Q73JAS規格の「目視等級区分構造用製材」とは、どんな製材でしょうか?

A
外観を目視で区分する構造用製材です。外観の状況と木材強度には相関関係がある為、それを利用して区分しています。

節、丸身、貫通割れ、目まわり、繊維傾斜、等々で目視等級を判別します。また、主として高い曲げ性能を必要とする部分(土台、大引、根太、梁、桁、筋交い等)に使用する材を甲種構造材(甲種I・甲種II)に、主として圧縮性能を必要とする部分(通し柱、管柱、床束、小屋束等)に使用する材を乙種構造材に分け、さらに材面の基準を 1〜3級の 3 段階に分類し、細かい基準を設けています。

Q74JAS規格の「機械等級区分構造用製材」とは、どんな製材でしょうか?

A
文字通り機械で測定して区分する構造用製材です。

グレーディングマシンによって機械的にヤング係数を非破壊測定し、E50、E70、E90、 E110、E130、E150 の曲げ性能を示す等級に分けられています(Q71参照)。

Q75スギとヒノキではどちらの方が強度が高いでしょうか?

A
一般的にはヒノキの方が高強度です。

JAS規格の「機械等級区分構造用製材」でスギとヒノキの基準強度を比べてみると、スギだとE50、E70、E90。ヒノキの場合はひと回り強く、E70、E90、E110が現れます。Eを冠した数値が大きいほど高強度となります。
ごく稀にヒノキの強度を上回るスギが現れることがありますが、数量は限られて入手は困難です(Q77参照)。

Q76同じスギでも、北の東北と南の九州で強度に差があるのでしょうか?

A
緯度によって強度の大小が大きく変わることはほぼありません。

スギのJAS機械等級区分構造用製材であれば、E70が最も多く6〜7割出現します。次にE50、E90がともに2割弱現れます。この傾向は緯度によって極端に変化することはありません。

Q77スギでもヒノキ並みの高強度な製材が現れるそうですが、本当でしょうか?。

A
はい、ごく少数ですが、E110、E130を表示できるスギのJAS機械等級区分構造用製材が現れます。

ただ、強度の出現割合が大きく変わることはない為(Q76参照)、数量は限られます。設計で「スギE110」と材料指示しても入手困難になるので注意してください。

Q78同じスギなら、製材より集成材が強いでしょうか?

A
いいえ、同じ断面寸法であれば、強度に大きな差はありません。

旧JAS規格では構造用集成材1級の材料強度が構造用製材の1.5倍だと規定されていた為、未だ誤認されることがありますが、構造用集成材と構造用製材における同一断面寸法の強度はほぼ同じです。

Q79同じ樹種で集成材を選択するメリットとは?

A
住宅向けであれば、断面寸法が大きくなるほど、製材に比べて集成材の方が1立法メートル当りの価格が安く、入手しやすくなります。

集成材は挽き板を接着して生産するので、大きな断面を作るのが容易な為、比較的入手しやすくなります(Q61参照)。
いっぽう製材は1)梁せい(長辺)が大きくなるほど、2)材長が長くなるほど、3)節が無くなるほど、3つの条件で高価かつ入手困難になります。
ただし、非住宅向けの大断面集成材のように、極めて大きい断面寸法は、納期に長い日数を要し、高額なるので注意してください。

Q80節が太かったり、多かったりすると、木材の強度が劣るそうですが、本当ですか?

A
はい、その通りです。節が太いほど、集中した節径の合計が大きいほど、強度は低下します。

構造用製材であれば、JAS規格で各等級ごとに木口の短辺に対して、一つの節の大きさ(節径比)、15cm間隔内にある節の合計(集中節径比)の基準が規定されています。
構造用集成材の場合は、節の状況を判定する代わり、構造計算時に梁せいに応じた計算式によって得られた寸法調整係数を乗じて部材強度を低減させます。

Q81材面での節の現れ方にも基準があるのでしょうか?

A
JAS/日本農林規格では、造作用製材(JAS 1083-2)で「無節(むふし)、上小節(じょうこふし)、小節(こふし)、並(なみ)」の4つの基準(上図)が規定されています。

造作用製材(JAS 1083-2)は、針葉樹を材料とするものであって、敷居、鴨居、壁その他の建築物の造作に使用する製材です。JAS規格とは別に「無地上小節(※1)」「無地無節(※2)」のような自主的な基準も存在しています。
※1:5mm程度の小さな節が2m位に1個ある程度の現れ方。
※2:節に加え、斑点状の葉節も皆無な材面。

Q82木材の規格寸法はどのようなものがありますか?

A
JAS/日本農林規格では、製材(JAS 1083)内の各製材ごとに標準寸法が規定されています。

造作用製材(JAS 1083-2)、目視等級区分構造用製材(JAS 1083-3)、機械等級区分構造用製材(JAS 1083-4)、下地用製材(JAS 1083-5)、広葉樹製材(JAS 1083-6)のそれぞれに、木口の長辺、短辺は30mm(1寸)刻みを基本に最大390mm、材長は1.82m、2m、3m、3.65m、4mが定められています。

Q83JASの規格寸法を用いたのに特注品になると言われました。なぜ、こうなるのでしょうか?

A
「製材(JAS1083)の標準寸法」≠「流通寸法」なので、JASの規格寸法であっても一般に流通していない寸法であれば、特注品になってしまいます。

構造材であれば、取引の主流は「短辺105mmの住宅用流通製材」で長辺180mmまでは常備品、210mm以上は取寄品になります。これ以外は特注品になります。
下地材では、他地域で27mm×36mm、40mm×45mmが用いられていても、福岡県では30mm×45mm、45mm×45mmを用いるのは一般的です。慣習的寸法と異なれば特注品扱いになりますから、設計時に寸法を決める場合は、地域で流通している寸法を事前に把握しておくことをお勧めします。

Q84JAS製材品・集成材等を使用するメリットとは?

A
構造材、造作材、フローリング等、用途別に品質基準が統一・規格化されているので、全国どこでも一定の品質の製品が入手できます。

表示される製品寸法とその許容差、含水率、樹種・薬剤に応じた保存処理基準、樹種・等級に対応した強度性能が明確に表示されることで、品質も保証されています。

Q85福岡県内に「木材・木質材料のJAS認証工場」は、何社あるのでしょうか ?

A
福岡県内には19社(令和4年3月現在)の工場があります。

一般社団法人 全国木材検査・研究協会が認証している福岡県内の〈JAS製材工場〉は令和4年3月現在12社あり、公益財団法人 日本合板検査会が認証している福岡県内の工場は令和3年3月現在〈JAS化粧合板工場〉は5社、〈JAS住宅用集成材〉は3社(内2社JAS製材工場も併せて認証)、〈JASフローリング材〉は1社あります。

Q86JAS製材を使用するのに、『補助金』など、お得な情報はありますか ?

A
低層戸建ての居住専用住宅・事業用併用住宅を除く、建築主が国以外の建築物で、JAS構造材の活用実証に取り組むケースには木材調達費の一部を助成する「JAS構造材実証支援事業」があります。

この他の情報については林野庁ホームページ内の「建築物の木造化・木質化事例(参考資料)」にある最下段の「非住宅建築物の木造化・木質化に活用可能な補助事業・制度一覧2022」をご覧ください(更新日:令和4年4月)。

Q87JAS/ 日本農林規格を詳しく知るための問い合わせ先はを教えてください。

A
下記が木材関係の JAS/ 日本農林規格に関する問合せ先になります。

〈製材〉
一般社団法人 全国木材検査・研究協会 03-6206-1255
一般社団法人 北海道林産物検査会 011-251-7830
〈合板・集成材・フローリング材〉
公益財団法人 日本合板検査会 03-577-2680

木材の耐久性

Q88どうして木は腐るのでしょうか ?

A
長い間、木材が濡れっ放しの状態が続き、かつ、一定の温度が維持されると、腐朽菌が繁殖できるようになり、腐り始めます。

木が腐れる為には、「菌・養分・酸素・温度・水分」の5つの要素が全て同時に存在し、かつ、一定の条件にならなければなりません。
木材腐朽菌は多種多様で、じつはシイタケやナメコなどの食用茸もこの仲間です。胞子は空気中どこにでも漂っています。養分は木材に含まれるリグニン、セルロース、ヘミセルロースです。繁殖するには空気中の酸素を必要とし、木材の含水率が35~150%で、温度は菌の種類によって変わりますが、24〜32℃以上の温度で活発に活動を始めます。

Q89木を腐らなくする方法は有るのでしょうか?

A
一番の対策は、長い間、濡れっ放しの状態を解消することです。二番目は、木材保存剤を用いる方法です。

木が腐朽する為の5つの要素「菌・養分・酸素・温度・水分」の内、いずれか無くせば腐らなくなります。
このうち、容易にコントロールできるのが「水分」です。降雨で濡れてた後も乾いてしまえば、腐朽菌は繁殖できません。床下を換気するのは、湿気が籠らないようにして腐朽菌が好む多湿な状況を防止する為です。
木材保存剤(Q92参照)は、腐朽菌やシロアリ等の侵入や活動を阻害します。工事現場での塗布、製材工場での保存処理で施します。

Q90柱下の土台に緑色の木材を見かけたのですが、あの木材は何ですか?

A
その緑色の正体は木材保存剤の一つで銅・シプロコナゾール剤(CUAZ)の色です。この木材は、JAS規格の保存処理が施された製材品です。

ちなみに、木材保存剤にはジデシルジメチルアンモニウムクロリド剤(AAC)という無色透明のものもありますが、緑色(CUAZ)の保存処理木材に比べると少し高価です。

Q91JAS規格の保存処理とは何ですか?

A
木材に防腐・防蟻・防虫の性能を付与することです。

K1〜K5 の5つに分けた性能区分ごとに、樹種と木材保存剤に応じて、湿潤度(薬剤を浸み込ませた比率)、吸収量(薬剤内の有効成分を性能を発揮させる為の基準値)の基準が規定されています。

Q92木材保存剤とは、どんな薬剤でしょうか?

A
木材に防腐・防蟻・防虫の性能を付与するため、日本工業規格 JIS K 1570「木材保存剤」及びJIS K 1571「木材保存剤-性能基準及びその試験方法」で規定された薬剤を指します。

JAS/日本農林規格の保存処理に用いる木材保存剤は「JIS K 1570の規定内から指定した薬剤」及び「ほう素化合物系のほう砂・ほう酸混合物又は八ほう酸ナトリウム製剤」と定められています。

Q93木材保存剤は危険ではありませんか?

A
いいえ、そのようなことはありません。人体への負荷低減、環境汚染への配慮等を踏まえて、日本工業規格(JIS)によって明確な基準が定めれており(Q92参照)、JAS規格の保存処理に用いる木材保存剤もJISを準拠しています。

過去の木材保存剤(クロム・銅・ヒ素系、CCA)は、公園遊具からのヒ素の溶脱が問題視され、平成19(2007)年にはJAS製材品からは外されました。

Q94土台に使用された木材の表面全体に小さな刻み目がいっぱいあるのですが…、これは何でしょうか?

A
小さい刻み目はインサイジング(incision)といい、直訳すると「切れ込み」のことで、木材保存剤を木材へ効率よく浸透させるために施すものです。

JAS/日本農林規格では、インサイジングは欠点とみなしません。ただし、構造用製材では、この加工により製材の曲げ強さ及び曲げヤング係数の低下が1割を超えない範囲内としなければなりません。

Q95保存処理木材を切断したら芯まで浸透していないのですが、この木材に防腐防蟻の効果が有るのでしょうか?。

A
大丈夫です!、きちんと効果があります。腐朽やシロアリ被害は木材の外周に当たる「辺材部分」から生じる為、JASの保存処理ではこれに応じた浸潤度の基準が定めれています。

「K3の保存処理木材」を例に挙げると、全ての樹種で「辺材部分の浸潤度が 80 %以上で、かつ、材面から深さ10mmまでの心材部分の浸潤度が 80 %以上」と規定されています。
ちなみに、ヒノキやヒバ等の耐久性が高い樹種は自身の働きで芯材部分に防腐・防虫に有効な成分を蓄える為、同部は腐朽やシロアリ被害に強くなります(Q108参照)。とはいえ、芯材だけのヒノキは調達しにくいので防腐措置を講ずる必要がある訳です。

Q96シロアリはなぜ木を食べるのでしょうか ?

A
シロアリは木に含まれる「セルロース」が好物だからです。

シロアリは体の乾燥を嫌がり、狭い隙間や湿気の多いところを好みます。ですので、シロアリ被害の防止も防腐対策(Q89参照)と同じく「水分のコントロール」が重要です。

Q97シロアリ被害を早期発見するコツはありますか?

A
床下を懐中電灯で照らし、床束や基礎の面や隅に上方に向かって土で出来た「蟻道」を発見したら、シロアリが居る証拠です。

シロアリは乾燥に弱いので大気に身体を晒さない為、地中の巣とエサ場である木材との間の往来に土や木材のカスでトンネル状に囲った蟻道を作ります。

Q98JAS保存処理木材を使用するメリットは?

A
もちろん、防腐・防蟻・防虫の性能が担保されることが大きなポイントです。他に、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35S」の融資条件を満たすのに、JAS保存処理木材の使用が一役買います。

建築基準法施行令49条2項では、地面からの高さが 1m 以内の外壁の軸組に防腐・防蟻措置を施す規定があり、「フラット35S」では品確法の「劣化対策等級3」に適合しなければならず、同部の基準の一つに「K3以上の保存処理木材の使用」が数えられています。

Q99木材を塗装する効果とは ?

A
木材の塗装は、日光や風雨にさらされることで進行する劣化(気象劣化)や、摩耗によって表面が擦り減る劣化(使用劣化)を防ぐという効果があります。

塗料は塗膜成分・揮発成分、水性・油性、顔料・樹脂・溶剤、等々さまざまな分類に分かれますが、大きくは「造膜系」と「含浸系」 の2つに分かれます。
造膜系は、膜を形成するので汚れに強いです。しかし時間が経つにつれて造膜と木繊維との密着度は緩んで剥離するようになります。膜が剥がれると剥離部から汚れがはげしく侵入してしまいます。
含浸系は、塗料の粒子が粗いと汚染物質が浸入します。いわゆるシミという現象です。屋外や摩耗が激しい場所では塗料の粒子が塗装面から出やすいので耐候性・防汚性が著しく低下します。したがって造膜系より頻繁に塗り増しする必要があります。

Q100木材の劣化に備えて注意することは?

A
とにかく毎年点検することが一番の対策です。

木材は、長期の湿潤状態に放置されるなど使用環境が厳しい場合には、腐朽やシロアリ等の食害でわずかな期間のうちに使用に耐えられなくなります。
そこで、不具合の早期発見が欠かせません。早く見つかれば、補修も簡単な内容で済みます。

木材の豆知識

Q102ノコギリの歯には違いがあるそうですが、どのような違いでしょうか?

A
ノコギリの歯を鋸目(のこめ)と呼びますが、その形状に「縦挽き用」と「横挽き用」とがあります。

「縦挽き用」は木の繊維を並行して同じ方向に挽く為、鋸目の歯先で鑿(のみ)のように削り取る形状になっています。いっぽう「横挽き用」は木の繊維を直交する方向に挽く為、繊維を切断するように鋸目が小刀のような形状になっています。

Q103まな板で使われている木材はどんな樹種ですか?

A
ヒノキ、イチョウ、ヒバ、ヤナギなどが使われています。

木には程よい弾力性があるため、他の材質のまな板に比べると包丁の刃当たりがやわらかく、包丁の刃を傷めにくいのです。また、削り直しにより、きれいな状態を保つことが出来ます。

Q104木は本当に食べられるのでしょうか?

A
もうすでに食していませんか?。春になると天ぷらで見掛けるタラの芽は木の新芽ですよ。
世界最古のスパイスと称される「シナモン」も、クスノキ科ニッケイ属の樹木の樹皮です。

他に杜仲茶(とちゅう・ちゃ)や南天のど飴など聞き覚えがあるのではないでしょうか。これらは漢方薬の原料になる薬用樹木の一種で、我が国ではトチュウ、ナンテン、イチョウ、サンショウ、キハダ等があります。

Q105木製食器の良さはどのような点ですか?

A
陶器やガラスに比べて割れにくくて軽く、断熱性がある等の特徴があり、小さいお子様も安心して使えます。

いっぽうで、食器乾燥機で急激に乾燥させると割れてしまうデメリットもあります。また使い続けると表面がカサカサしてくるので、サラダ油やオリーブオイルを刷り込むと新品のツヤツヤ感が戻って長持ちさせることができます。

Q106木の板には、強い部分と弱い部分があるそうですが、本当でしょうか?

A
はい、本当です。木材は芯に近い部分ほど弱くなります。その為、熟練の大工職が釘やビスを打ち込むときは同部を避けます。

丸太の芯部は「未成熟材」とも呼ばれています。同部は発芽してから10年程度未満に幼木期に生育した部分で、風雨に晒されても折れないよう柔らかいです。10〜15年を過ぎると逆に風雨に耐えられるよう未成熟材の外側から高強度な木繊維が形成しています。この部分を「成熟材」と言います。
ちなみに、空手の板割り実演でキレイに割れるのもこの特性が理由です。中心部を節目に平行して叩くと、意外と簡単に割れてしまいます。

Q107木材には「表」と「裏」があるそうですが、本当でしょうか!?

A
はい、本当です。丸太の芯から外側の面が「木表(きおもて)」、芯側が「木裏(きうら)」と呼んでいます。

木表は鉋(かんな)をかけやすく、逆に木裏は繊維が毛羽立ってしまいます。ちなみに材長方向の側面を「木端(こば)」、木繊維を直交に切断した面を「木口(こぐち)」と称します。

Q108「芯材」や「辺材」と専門家の方が言ってましたが、どんな意味でしょうか?

A
スギを例に挙げると分かりやすいのですが、辺材は白色の部分で丸太の外縁部に当たります。芯材は赤色や黒色の部分になります。

材径が大きくなると辺材も芯材へ変質します。微生物が嫌う樹脂や色素(心材成分)で覆われるようになり、水の通り道である穴(壁穴)も塞がります。その為、心材は辺材よりも腐朽やシロアリ被害に強くなります。このことから古くは「芯材だけのヒノキ」が重宝されました。しかし同材は入手困難なので、辺材が使用環境の厳しい所に晒される場合は保存処理を施す必要があります(Q95参照)。
ちなみに、辺材は白太(しらた)、芯材は赤身(あかみ)とも呼ばれ、源氏の白旗、平家の赤旗を準えて赤白混在した木材を「源平材」と呼称されています。

Q109スギの芯で見かける「黒ずんだもの」と「赤身がかったもの」には、どのような違いがあるのでしょうか?

A
スギは土中からの水分の吸い上げ量が多いほど、芯の色は黒くなる傾向にあります。 黒ずんだもの(黒芯)は、赤身がかったもの(赤芯)に比べて含水率が高いため、乾燥しづらく、構造材等、寸法安定性を要求するような部位にはあまり向きません。

いっぽうで、黒芯の板目は独特の風合いがあるので意匠性が良く、建築家によっては、建具や家具、内装などの個性的な造作に使用されています。